かつて「遊」という雑誌をつくっていたとき、ロジェ・カイヨワやピエール・ド・マンディアルグやスーザン・ソンタグやルイス・トマス、ジョン・ケイジといった欧米の知識人やアーティストにどんどん会いに行きました。彼らの家やオフィスを訪ねると、それぞれ素晴らしい書棚を構えていて、ぼくはそれを見るだけでも会いにいった甲斐がありました。そして、書棚こそがその人の思想を表すのだという確信を得たのです。
本はぼくのスタッフたちもしょっちゅう使っていますが、彼らには「本を1冊取り出すときには、必ずその両脇にある本を見るようにしなさい」と教えています。
- 本の文脈. 本棚に入れるということは本と本の間に入れるということで, そこには文脈があると. - post by boxeur
パラパラとページをめくりたいのをちょっと我慢して、5分だけ目次をじっくり読みましょう。
本は著者のためにあるのではない。読者が著者に合わせる必要なんてないんです。
じつは著者というのは文章がヘタだと思ったほうがいい。だから、本は鵜呑みにしてはいけない。
読書とは“本”という旅に出ることと同じです。だから、旅先での感想を日記や手帖に書き込んで帰ってくるように、本にも大いに書き込みをするといいんですね。
- ・紙上に書かれた思想は、砂上に残った歩行者の足跡に過ぎない。歩行者のたどった道は見える。 だが歩行者がその途上で何を見たかを知るには、自分の目を用いなければならない。 ―「読書について」― ショーペンハウエル - post by boxeur
ちなみに、よく本に傍線を引く人がいますが、あれはだめですよ(笑)。少なくとも、著者の主張に関心したところと、表現に関心したところは同じ線でマークすべきではないし、疑問をもったところも線を変えて残しておくべきです。
「二つのA」を使った読書法
。一つ目の「A」は、アフォーダンス(affordance)
もう一つの「A」は、アブダクション(Abduction)です。これは、演繹・帰納にならぶ推論の方法の一つで、ごく簡単にいえば「仮説形成」のことをいいます。
12~13世紀までは世界中が音読社会
読書する空間というのは聴覚的な空間
これはヨーロッパの古い図書館のキャレル(読書ブース)の作り方や、日本の絵巻を見るとすぐにわかります。「源氏物語絵巻」にも、巻子を読んでいる源氏の声を御簾の影で聞いている女御の姿が描かれています。
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